忍者ブログ
サークルの情報等々です。
[18]  [17]  [16]  [8]  [15]  [14]  [13]  [12]  [11]  [10]  [9
2017.10.23 Monday
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2011.08.25 Thursday
 pixivに上げた分です。山猫らんたんのゆのあさんとこのキャラも交えてます。2011年9月4日のドームの本の前置きみたいな感じです。

----------

「寝過ごしたァ!」
有明は思わずそんな叫び声を上げていた。一号の発車は十八時三十六分予定。ちょっと仮眠のつもりが思い切り寝入っていた。
 走って間に合うか? いや間に合う間に合わないの問題じゃない。
 ヤバい。
自分としたことが。これじゃまたつばめ(新幹線の方)に嫌味を言われてしまう。
「ギリギリ! セー……フ?」
彼が六番ホームで見たのは、不可解なものであった。
「誰?」
知らない男が自分の仕事をしている。運転士との打ち合わせも、車掌業務も自分の仕事だ。それを全く見たことのない男がやっているのだ。
 どういうことだろう。しかも男はかなり手慣れた様子でそれをこなしている。
「あ、あのー」
少し勇気を出して男に声をかける。もしかしたら他所の地方の特急だか優等列車だかが自分の不在を見兼ねて手伝ってくれていたのかもしれない。
「すいません。これ有明一号ですよね?」
すると男はにこりと笑い
「ええ、そうですよ」
と答えた。
(うわ)
近くで見て気づいたのだが、男は育ちの良さが全身から滲み出ている。そんな印象を受ける姿を見せていた。
「もうすぐ発車ですよ」
男は有明に言った。どうやら客と勘違いされているようだ。
 新しい車掌か? いやそんな風には見えないのだが。
 呆けている場合ではない。まあ、一部の駅員や関係者にしか『列車』という人の形を取った存在がいることは知らされていないが自分のスタッフには知っていてもらわないと困る。
「俺は特急有明。この列車だよ。どう説明するかなー。そんな阿呆なとか思うかも知れないけど。他の先輩とかから聞いてないか?」
そう有明が言うと、男は困惑した表情を見せた。無理もないとは思う。
「あ、有明って」
男が絞り出すように声を出した。
 その時だ。
「兄さん」
少し歳若い、しかしもうしっかりと成人を果たした青年の声が後方から聞こえた。
 振り返るとそこには美青年と呼んで遜色ない青年がこちらに向かって走ってきている。
「おう」
男が返事をした。彼の身内のようだ。
 しかし、この後すぐ、有明は更に困惑することになる。
「どうした? つばめ」
『つばめ』。有明はこの名前をよく知っている。自分の弟である特急の名前、そうでなければ新幹線のあいつ。現在、つばめを名乗る者はこの二人のはずだ。
 じゃあ、このつばめと呼ばれた青年は誰なのだ?
「ちょっと、来てもらえますか?」
青年が言う。
「私の他に『つばめ』を名乗る列車がいるんです」
有明の脳裏に弟の姿が浮かんだ。
「私だけじゃない。他の列車もそうみたいなんですが……」
青年の言葉に男が有明を指差して言った。
「つばめ、俺もそうみたいなんだけど」
その言葉で確定だった。
(ど)
この男も『有明』なのだ。
(どういうことだよ!?)
有明は自分に起こったそれが信じられず、ただそうして立っているしか出来なかった。


□■□


「兄さん!」
有明の顔を見て、安心したようにつばめは言った。
「どうなってんだ? これ」
事務所に集まった面々はいつものメンバーに加えて各々もう一人ずついた。先程言っていた青年の言葉は本当のようだ。
「僕にもわからないよ。なんかいきなりこうなってて……」
「おい、どういうことだよ!」
突っ掛かるように新幹線の方のつばめが有明に詰め寄った。
「俺に訊くなよ、新幹線」
「新幹線って呼ぶな! ちゃんとつばめって呼べ!」
「仕方ないだろ、俺の弟はお前が生まれる前からつばめだったんだから! それに最近まで九州で新幹線はお前だけだったんだし」
「なら、新幹線で俺のが偉いからつばめ様って呼べ特急!」
「言ってることが相変わらず横暴だな、お前」
いつもの通過儀礼をこなしながら、有明は頭をフルに回転させた。しかし、こうなった原因は全然思い当たらない。
「恐らくは、次元の歪みが互いの世界を交差させてしまったのだろうな」
一番意味の解らない言葉が聞こえた方を見ると、そこに九州がいた。
「いきなり登場してワケ解らんこと口走るのやめてくれませんか? 九州さん」
「お父さんって呼びなさいって何度言えば解るかなぁ!? 有明! お父さんは悲しい!」
毎度のことだが、九州は涙を流しながら言った。
「で、なんすか? その、次元の歪みって」
お父さんの件はスルーし、有明は訊く。すると九州はホワイトボードに何やら図を描きながら説明を始めた。
「何が原因なのか私にもまだ解らないが、おそらくは次元が歪んでパラレルワールド……つまり平行して存在する別次元の世界と交差してしまっているのだろう。推測に過ぎないが今度合同誌出すからお互いの擬人化出し合おうとかそんな協議が作者間で行われ無理やりこうなったと考えるのが自然かもしれんな」
「うわ。もっとも不自然な大人の事情をあっさり暴露したよこの人」
「我々に出来ることはこのままいつも通りの日常を過ごす。それしかないわけですね」
今まで何も発言しなかった向こう側のつばめが言った。
「理解が早くて助かるよ」
九州は笑う。
「何にせよ、出来ることなど何もないのだよ。時間が解決する。そうとしか、私には言えん」
おおいに楽しみたまえ。そう言って、九州はその場を立ち去った。
「…………」
一時の沈黙がこの場を支配した。
「なってしまったものは仕方ない。お客様が迷惑しないよう、我々は我々の仕事をしましょう」
凛とした少女の声が響いた。
「つばめさん」
どうやらこの少女は向こう側の新幹線つばめのようだ。有明はそう理解する。
「これから、よろしく」
少女が整ったその顔で微笑んだ。


CROSS OVER THE EACH RAILS


 これがこれから始まる物語の最初の一節だ。二つの世界が一つに交わる。それはいったいどういう意味をもたらすのか。それは時が過ぎてしまわないとわからない。
PR
Comment
name
title
url
comment
pass
Trackback
この記事にトラックバックする:
プロフィール
HN:
上瀬
性別:
非公開
自己紹介:
 日常的な日記はこちら


別名義の二次創作中心
カレンダー
09 2017/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
すぴばる
リンク
応援してます!
博多駅発特別臨時列車

おともだちです。


ダイスキです!


お世話になってます。


素材をお借りしています。

ブログ内検索
バーコード
忍者ブログ [PR]