サークルの情報等々です。
2011.10.18 Tuesday
イベントの告知以来になってしまってすみません! 一ヶ月放置になってしまってました。
イベント当日は色んな人に立ち寄っていただけて嬉しかったです。ありがとうございますw 次回のイベントは来年一月予定です。しかも委託かもでほんとすみません。
web拍手の方を更新したので、前回までの分を収納しました。準急有明とにちりんさんのお話。
今後もカメ更新ですが頑張ります。
イベント当日は色んな人に立ち寄っていただけて嬉しかったです。ありがとうございますw 次回のイベントは来年一月予定です。しかも委託かもでほんとすみません。
web拍手の方を更新したので、前回までの分を収納しました。準急有明とにちりんさんのお話。
今後もカメ更新ですが頑張ります。
----------
鼻唄を歌いながら、機嫌良さそうに歩く男と肩がぶつかって、有明は手に持っていた資料の束を落としてしまった。
「ああ! すまない」
男はそう言って、有明が落とした資料を拾う。
「すみません。俺が落としたのに」
「いや、いいよ。気にしないで。私が君にぶつかったのだから」
丁寧な口調の男だ。
「ありがとうございました。助かりました」
有明は男に礼を言う。すると男は笑いながら「いえいえ」と言い、
「これからも頑張るんだよ。有明」
とそう言ってそこから立ち去った。
「あれ?」
あの人誰だっけ? どうしても思い出せなかった。
□■□
「あー、今日は良い日だなぁ」
天気も良いし、久し振りに会いたい顔にも会えた。
「そう、思わないかい?」
自分の後ろについてきている彼に向かって言う。
「ねぇ、にちりん」
にちりんは不機嫌そうな顔を男に向けたまま、彼の隣に歩いてきた。
「そんな顔しないでくれ。何か不満でも?」
「はぁ? 不満でも? だと」
にちりんは男に噛みつくように言った。
「ありまくりだ。この野郎。アンタこそどういう顔だよ、なぁ」
有明。
にちりんは男をそう呼んだ。
「今はしらぬいだよ」
「関係ねェよ」
訂正する有明……いやしらぬいの言葉にやはりにちりんは噛みつく。
「グラサンなんざ似合わないぜ」
「仕方ないだろう。私はあの子と顔が似ているんだから。混乱させてしまうよ」
しらぬいはそう言い、サングラスを外す。その彼の面立ちは特急であるあの有明にそっくりだった。
「なるべく、顔を見せないようにしたいんだ」
「はあ~……」
にちりんはため息を吐いた。
「本当に、今日は良い日だ」
しらぬいは言った。
「あの子は元気だったし。君にもこうして会うことが出来たし。良いことづくめだ」
しらぬいは心の底からそうだと言わんばかりに微笑んでいる。
「名前が変わるだけで済んで。今は本当に良かったって思ってる」
あの時のことを言っているのだろう。一度は死を覚悟した。あのダイヤ改正を。
「アンタ、それで良かったのか」
「あの時と同じことを訊くんだね」
そう、にちりんは言った。「それで良かったのか」と。だからしらぬいもそう答える。
「これで良かったよ」
と。
「本当はあいつと一緒にいたかったんじゃないのか?」
「そう、だね」
本当はそうだ。
「でも、それじゃあ駄目なんだよ、にちりん」
しらぬいは言った。
「『いたい』『いたくない』は関係ないんだよ。『いて良い』か『いちゃいけない』かなんだ。だから」
私はもうあの子とは一緒にいられない。
「それに、あの子に私はもう必要ないし」
そう言ってしらぬいは寂しげにしかし何処か安心したように笑った。
「じゃ、そろそろ帰るよ」
サングラスをかけ直し、しらぬいは歩き出した。
「寂しいなら、寂しいって言えよ!」
しらぬいの後ろ姿に、にちりんは言葉を投げつけた。
「いたいなら! いたいってそれでいいだろ! 素直に言えッ! 有明ェ!」
一瞬、しらぬいはにちりんの言葉に足を止めた。けれど、振り返ることはなく、そのまま背を向けてにちりんの前から去っていった。
残されたにちりんは悔しさで唇を噛んだ。
やはり、お前に
「~~~ァァッ!!」
声にならない叫びを発しても、その言葉は彼に届かなかった。
鼻唄を歌いながら、機嫌良さそうに歩く男と肩がぶつかって、有明は手に持っていた資料の束を落としてしまった。
「ああ! すまない」
男はそう言って、有明が落とした資料を拾う。
「すみません。俺が落としたのに」
「いや、いいよ。気にしないで。私が君にぶつかったのだから」
丁寧な口調の男だ。
「ありがとうございました。助かりました」
有明は男に礼を言う。すると男は笑いながら「いえいえ」と言い、
「これからも頑張るんだよ。有明」
とそう言ってそこから立ち去った。
「あれ?」
あの人誰だっけ? どうしても思い出せなかった。
□■□
「あー、今日は良い日だなぁ」
天気も良いし、久し振りに会いたい顔にも会えた。
「そう、思わないかい?」
自分の後ろについてきている彼に向かって言う。
「ねぇ、にちりん」
にちりんは不機嫌そうな顔を男に向けたまま、彼の隣に歩いてきた。
「そんな顔しないでくれ。何か不満でも?」
「はぁ? 不満でも? だと」
にちりんは男に噛みつくように言った。
「ありまくりだ。この野郎。アンタこそどういう顔だよ、なぁ」
有明。
にちりんは男をそう呼んだ。
「今はしらぬいだよ」
「関係ねェよ」
訂正する有明……いやしらぬいの言葉にやはりにちりんは噛みつく。
「グラサンなんざ似合わないぜ」
「仕方ないだろう。私はあの子と顔が似ているんだから。混乱させてしまうよ」
しらぬいはそう言い、サングラスを外す。その彼の面立ちは特急であるあの有明にそっくりだった。
「なるべく、顔を見せないようにしたいんだ」
「はあ~……」
にちりんはため息を吐いた。
「本当に、今日は良い日だ」
しらぬいは言った。
「あの子は元気だったし。君にもこうして会うことが出来たし。良いことづくめだ」
しらぬいは心の底からそうだと言わんばかりに微笑んでいる。
「名前が変わるだけで済んで。今は本当に良かったって思ってる」
あの時のことを言っているのだろう。一度は死を覚悟した。あのダイヤ改正を。
「アンタ、それで良かったのか」
「あの時と同じことを訊くんだね」
そう、にちりんは言った。「それで良かったのか」と。だからしらぬいもそう答える。
「これで良かったよ」
と。
「本当はあいつと一緒にいたかったんじゃないのか?」
「そう、だね」
本当はそうだ。
「でも、それじゃあ駄目なんだよ、にちりん」
しらぬいは言った。
「『いたい』『いたくない』は関係ないんだよ。『いて良い』か『いちゃいけない』かなんだ。だから」
私はもうあの子とは一緒にいられない。
「それに、あの子に私はもう必要ないし」
そう言ってしらぬいは寂しげにしかし何処か安心したように笑った。
「じゃ、そろそろ帰るよ」
サングラスをかけ直し、しらぬいは歩き出した。
「寂しいなら、寂しいって言えよ!」
しらぬいの後ろ姿に、にちりんは言葉を投げつけた。
「いたいなら! いたいってそれでいいだろ! 素直に言えッ! 有明ェ!」
一瞬、しらぬいはにちりんの言葉に足を止めた。けれど、振り返ることはなく、そのまま背を向けてにちりんの前から去っていった。
残されたにちりんは悔しさで唇を噛んだ。
やはり、お前に
「~~~ァァッ!!」
声にならない叫びを発しても、その言葉は彼に届かなかった。
PR
Comment